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宇宙望遠鏡「ケプラー」、宇宙(そら)へ [Science]

2009年3月8日。米航空宇宙局(NASA)は、6日に打ち上げた太陽系外で地球に似た惑星を探す宇宙望遠鏡(探査機)「ケプラー(Kepler)」が、予定していた軌道に乗ったことを発表しました。

ケプラーはフロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)空軍基地からデルタ2(Delta II)型ロケットで、現地時間6日22時49分(日本時間7日0時49分)打ち上げられました。

宇宙望遠鏡というと、光学望遠鏡である「ハッブル」が有名ですが、この他にも赤外線天文衛星の「スピッツァ」、X線観測衛星の「チャンドラ」がアメリカから、日本からもX線天文衛星の「すざく」(第23号科学衛星ASTRO-EII)、赤外線天文衛星の「あかり」(第21号科学衛星ASTRO-F)などが打ち上げられています。

ケプラーが探す天体は、太陽に似た恒星の周囲を公転する、生命維持に必要な水が存在できる距離と気温を保った地球に似た惑星。このような試みはNASA初です。

NASAの天体物理学部門のジョン・モース(Jon Morse)主任は、打ち上げの前月に開かれた記者会見で「惑星探査機ケプラーの試みは、地球サイズの惑星が銀河系にどれくらいの頻度で存在するのかを知り、地球から近い星でそのような惑星を直接発見し特色を理解するミッションを将来計画する上で非常に重要だ」と語っています。

ケプラーは、宇宙望遠鏡としては最大級の9,500万画素の電荷結合素子(CCD)カメラを搭載していて、惑星が恒星のそばを通過する時などの周期的な光の変化を観測することができます。

地球型惑星を探すために特別に設計された宇宙望遠鏡。それがケプラーです。

地球から見て、太陽系外の惑星が公転している恒星の前をたまたま通過する軌道を持っていた場合、恒星が周期的にわずかに暗く見えます。ケプラーはこの現象を検出し、太陽系外に存在する惑星を見つけて行きます。

自ら光を放たない太陽系外の惑星を観測できるなんて、すごい望遠鏡ですよね。

ケプラープロジェクトのジェームス・ファンソン(James Fanson)マネージャーは「仮にケプラーが夜の地球を観測した場合、小さな村で玄関灯の前を誰かが通過した際に玄関灯が暗くなる様子も観測することが可能だ」とも語っています。

彼のこの言葉から、この望遠鏡の驚異的な観測能力が窺えると思います。

ところで、これまでの地上での同様の観測で、太陽系外の惑星が約300個ほど見つかっています。しかし、そのほとんどは木星のような巨大ガス惑星で、とても生命が存在するとは思われないような惑星ばかりです。

ケプラーの検出器は非常に精度が高く、観測が地球の大気にじゃまされないため、地球程度の大きさで岩石からできていると考えられる惑星でも検出できる能力を備えています。

このミッションは、6億ドル(約600億円)近い費用が投入され、3年をかけて、銀河系のはくちょう座、およびこと座周辺で太陽に似た10万個以上の恒星を観測することになっています。

なんか、すごく夢のあるミッションだと思いませんか?
知的生命体が住むことのできる惑星が発見されることを願いたいですね(o^-')b

ちなみに、太陽系外の惑星を探す衛星としては、アメリカの他にフランスが2006年に「コロー」という観測衛星を打ち上げています。

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