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航空機からロケットを打ち上げ [Science]

今日の早朝ニュースで「衛星を搭載したロケットを航空機に取り付け、上空で打ち上げる空中発射システムの実用化研究に政府が乗り出した」というニュースを見ました。

今までロケットというのは発射台から垂直に打ち上げ、衛星軌道上に人工衛星を投入するというのが主流でした。これだと衛星を打ち上げる時に莫大なコストがかかり、衛星の開発にも長い年月を必要としてしまいます。

そこで考えられたのが、航空機にロケットを取り付け、航空機で水平に離陸後、高高度の上空でロケットを切り離し衛星軌道上へ打ち上げる方法です。これだと、小型の衛星であれば、コストも低く抑えられ、即時に打ち上げが可能となります。

日本政府がロケットの打ち上げを、この方法に切り替えようとしている背景には、世界の衛星需要があります。近年の衛星需要というのは、開発期間が短くてすむ小型衛星を、必要なときすぐに打ち上げる「即応型」へ移行していて、日本が世界的な競争力を維持するためには、それにふさわしい打ち上げ手段が必要になったということがあります。
航空機にロケットを取り付けて、上空で衛星を打ち上げる「空中発射」の想像図
空中発射は、航空機にロケットを取り付けて離陸し、公海上でロケットを切り離し、さらに衛星を分離して軌道に乗せる技術。地上の大がかりな打ち上げ施設を必要とせず、しかも、地元漁業関係者らとの協議が必要な打ち上げ時期の制約が減ることなどから、低価格で機動的な打ち上げが可能になります。

この技術は、アメリカでは民間企業がもう既に20年前から商用打ち上げに利用しているほか、低コストで衛星が打ち上げられるので衛星打ち上げビジネスを行っている国の各国が研究に取り組んでいます。

日本政府はこの技術を利用し、23日に温室効果ガス監視衛星「いぶき」を打ち上げたH2Aロケットの約1割にあたる100億~200億円で新たなロケットを開発。打ち上げ費用を数億円に抑えることを目標に衛星打ち上げビジネスを展開しようとしています。

また、文部科学省所管の宇宙航空研究開発機構は、スペースシャトルのような宇宙往還機にもつながる技術として注目。三菱重工業、固体ロケット技術を持つIHIエアロスペースなどとともに、具体化に向けた検討に着手しました。

この方法でのロケット打ち上げが実用段階に入ると、日本では大掛かりなロケットの打ち上げ風景が見られなくなるのかなぁ。・・・種子島宇宙センターからH2Aロケットが轟音とともに打ち上がる光景の映像を見て、宇宙への憧れやロマンを感じていたのですが、なんとも寂しい気がします。

航空機からロケット打ち上げ、実用化研究に着手[読売新聞 1/25(日)のニュースより]




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魔太郎

航空機から飛ばしたほうが、確かに、コストが抑えられそうですね。
種子島からの気象衛星ロケットがよく失敗してた記憶がありますが
これで失敗が減るかな。
by 魔太郎 (2009-01-26 23:23) 

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